大学院
大学院 経済学研究科(修士課程)
経済・経営専攻
新たな時代の潮流に対応する開かれた大学院
これまで、大学新卒者の他に、下関地域を中心とする現役社会人や定年退職者、韓国・中国からの留学生など多様なメンバーを受け入れ、また送り出してきました。本研究科の特徴は、少人数制にあります。院生同士が知識や経験に基づいた意見を交換し、お互いに刺激し合える環境や、教授陣による昼夜開講講義・研究指導などの親身な支援体制を整えています。
在職の社会人学生が学びやすい、夜間、土曜日、休日にも研究指導や授業を行っています。休業期(夏季・冬季)の集中講義などを組み合わせることで、必要な単位を取得できる時間割編成を行います。
本研究科で、キャリアアップをはかろうとするみなさんのチャレンジを期待します。
履修制度
早期履修制度について
大学院早期履修制度は、学部4年在学中に下関市立大学大学院経済学研究科の授業を履修することができる制度です。学部4年次に大学院の単位を最大20単位まで履修することができます。本制度により修得した単位は、本学大学院に入学した場合に限り、学長が定める単位数を限度として、本学大学院の修了要件単位に含めることができます。
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 大学院 |
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学部1年生 | 学部2年生 | 学部3年生 | 学部4年生→学部卒業 | |
大学院早期履修 |
資格
下記①~③の全てに該当する者
①履修時に本学経済学部の卒業年次に在学する者
②本学研究科に進学を希望する者
③大学院運営会議が学業成績優秀と認める者
長期履修制度について
以下①~③のいずれかに該当し、標準修業年限での修学が困難な事情にある者は、長期履修制度を申請することで、修業年限を超えて一定の期間にわたり計画的に教育課程を履修することができます。
資格
①職業を有し、就業している者(正規職員以外も含み、その収入を主として生活を送っている者をいう。)
②育児、長期介護等の事情を有する者
③病気等その他やむを得ない事情を有し、標準修業年限での修学が困難な事情にあると学長が認めた者
長期履修制度を利用した場合の授業料の年額および保険料の合計は以下のとおりです。(単位:円)
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 合計 | 学生教育研究災害傷害保険料 | 学研災付帯賠償責任保険料 | |
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通常の場合 | 535,800 | 535,800 | 1,071,600 | 1,400 | 680 | ||
3年の長期履修の場合 | 357,200 | 357,200 | 357,200 | 1,071,600 | 2,100 | 1,020 | |
4年の長期履修の場合 | 267,900 | 267,900 | 267,900 | 267,900 | 1,071,600 | 2,650 | 1,360 |
授業科目と研究・教育内容
領域共通科目
経済学特論 I・II | 現代経済が抱える諸問題を視野に入れながら、経済学の大きな流れについて解説する。 |
課題研究 I・II | 社会の問題に関する研究テーマを設定し、適切に研究を実行し、論文を完成させる。 |
経済コミュニティシステム・国際ビジネス領域科目
ミクロ経済研究 I・II | ミクロ経済学の理論モデルとその分析に関する研究 |
経済原論研究 I・II | マルクス『資本論の経済学』特に金融危機と恐慌の研究 |
⾦融経済研究 I・II | ファイナンスおよびコーポレートファイナンス(企業⾦融)に関する研究 |
産業組織研究 I・II | 産業組織の理論的・実証的研究 |
地域社会研究 I・II | 産官民協働社会に関するまちづくり研究 |
地域政策研究 I・II | 産業立地と地域政策に関する研究 |
都市政策研究 I・II | 主として日本の都市の諸問題と、その解決に向けた政策の研究 |
経営管理研究 I・II | 経営学の理論と思想の形成に関する研究 |
管理会計研究 I・II | 管理会計手法の現状と課題についての体系的研究 |
会計研究 I・II | グローバル化の中でのわが国会計制度の理論的研究 |
マーケティング研究 I・II | 日本企業のマーケティング・国際マーケティングに関する研究 |
経営情報システム研究 I・II | 経営情報システムにおける知識工学の応用に関する研究 |
国際経済研究 I・II | 国際経済、東アジアの経済統合および労働移動に関する研究 |
教育経済学領域科目
教育経済学特論 I・II | 経済学で有用性が確認された理論・分析手法を用いて、教育をめぐる政策や課題等を解明する。 |
教育における経済問題の分析 I・II | 現代経済の重要な課題である人的資本の形成について経済理論、政策の視点から論じる。 |
社会科学研究方法論 | 社会科学における研究の実施方法、論文の執筆方法について解説する。 |
測定と定量的方法論 | 教育研究の課題を実施するための統計学的手法について解説する。 |
ソーシャルデータ分析 (乳幼児教育)特論 I・II |
乳幼児教育の現場におけるエビデンスに基づいた保育実践とデータ分析方法等について論ずる。 |
ソーシャルデータ分析 (組織マネジメント)特論 I・II |
人材マネジメントについてエビデンスに基づいたデータ操作と分析スキルに関する研究 |
研究倫理の理解 | 研究倫理の基礎的事項として研究倫理の意義・重要性、公正、不正行為に関する研究 |
担当者が追加される場合があります。詳細はお問い合わせください。
授業科目紹介
経済学特論Ⅰ
経済学特論Ⅰでは、経済学の基本や歴史を理解するために、経済学の大きな流れについて解説します。また、経済学を学ぶためには、現代社会の主要な経済的課題についても関心を持つことが大切です。そこで、現代経済への問題意識を持つために、人口減少や質の高い人材の育成すなわち人的資本への投資、技術革新、経済成長と金融危機、財政や金融面の政策的対応、資本主義の成長と停滞等、エキサイティングなテーマについて討論します。
研究科⻑メッセージ
猿渡 剛 教授
少⼦⾼齢化やグローバル化が進む今の⽇本は、新たな時代を切り開く専⾨的知⾒を有する⾼度な専⾨的職業⼈を必要としています。下関市⽴⼤学⼤学院経済学研究科は経済コミュニティシステム・国際ビジネス領域と教育経済学領域を置いて、専⾨的職業⼈の養成をめざしています。
⼤学卒業後、⼤学院進学を検討している皆さんは、多くの可能性を秘めています。可能性は、さまざまなことに挑戦していくなかで発揮されるものです。なるべく多くのことに興味関⼼を持ち、果敢に挑戦する気持ちを持ち続けてください。そして、たとえ失敗したとしてもなぜうまくいかなかったのかを分析し、その失敗を次の挑戦に活かすよう⼯夫していく。このような思考・⾏動を下関市⽴⼤学⼤学院で⼀緒に学びましょう。
修了生VOICE
柴田 竜一 さん
会計不正問題に関する理論的研究~情報開示制度に注目して~
大学院への進学を決めてからは、研究計画書を作成するにあたり、関連書籍の読み込みやゼミで学んだ内容をどう生かすかを深く考えました。
現在、行っている研究では、経済学の分野にある「ゲーム理論」を用いると、複数の選択肢がある場合にどれを選ぶのが一番得かを見つけることができます。また、この分野を応用し、会計不正を防止するにはどうしたら良いかという研究もしています。その個人や企業にとってメリットが大きいと感じるため不正を働くと推測できますが、ここに適切な会計規制を導入することで、未然に防ぐことができるというものです。「ゲーム理論」の考え方は、ビジネスでも幅広く応用することができます。
今後は、ITエンジニアとして会計事務所などを支援する業務に携わりますが、研究で得た知識、さらに、IT、マーケティング、経営理論など身に付けた知識を存分に生かし、サービスのプロモーションなども行っていきたいと考えています。
修了生VOICE
宇多川 清美 さん
1・2歳児における概念形成に与える物的・人的環境要因の影響分析~CRAYON BOOK のデータを中心に~
保育園の運営などを行う中で、保育の現場でどのような教育が必要か具体的な内容が示されていませんでした。そこで、子どもがどんな環境で育ちを獲得していくのかを可視化するツール「CRAYON BOOK」を使って分析・考察することで、保育士や子育て家庭の一助にしたいと思い研究を行いました。日々成長する子どもの行動の分析はいつも同じ結果にならないなど初めて分かることも多かったですが、研究の中で立てた仮説と分析結果が繋がったとき、こういった地道な努力が子どもの育ちに役立てられるのではないかと実感しました。大学院では、研究内容も年齢も職業も異なるゼミのメンバーと学びを深め合うことができ、人生100年時代の意味を再確認し自信にも繋がりました。
現在は保育現場で管理を行っており、研究を通して可視化できた育ちを、さらに保育士が理解し対応できるよう研究を続けていきたいです。
研究施設
大学院講義室等
本館II棟3階に大学院のための講義室や演習室、共同研究室として各10名前後収容のものが2室あります。各部屋には机、コンピュータ、ロッカー、テーブルなどが備え付けられています。このスペースでは学生が個別の学習・研究に従事することができ、また研究や授業の合間に休息したり、他の学生との交流などに使うこともできます。
附属図書館
学術センターの中に位置する附属図書館には蔵書約25万冊が備え付けられており、その他専門雑誌や資料の利用も可能です。開館時間は次の通りで、大学院の夜間開講にも対応しています。